不動産お役立ち情報

空き家を売却するメリット・デメリット

空き家を売却するメリット・デメリット

平成31年4月26日に平成30年住宅・土地統計調査の概数が公表されました。調査によると全国の空き家数はおよそ846万戸(前回調査では約820万戸)、全住宅に占める空き家の割合(空き家率)は13.55%(前回調査では約13.52%)となり、それぞれ平成25年の前回調査の数値を超え、過去最高を記録しました。

増え続ける空き家

そして現在、相続した家が適切に管理されないまま「空き家」となっているケースが増加しています。2015年5月に全面施行された「空き家対策特別措置法」では、老朽化や管理不足などにより、倒壊の危険性がある空き家を「特定空家等」とし、国が主体となって修繕や撤去の指導、強制撤去などを行えるようになり、空き家問題の解決に取り組み始めました。この法律が施行されたことにより、空き家の放置に対する行政の目は一層厳しいものになりました。

そこで今回は「空き家」を所有する方に向けて、空き家を維持・管理していくか売却するか、それぞれのメリット・デメリットについて詳しくご説明します。

 

1、空き家対策特別措置法とは

空き家対策特別措置法で決まったことは下記の3点になります。

1、「特定空き家」と呼ばれる危険度の高い空き家を定めた

2、 登記情報がないものは、固定資産税の支払い履歴を確認して所有者を確認できるようにした

3、「助言・指導」「勧告」「命令」を経て、「特定空き家」を行政側で解体することができるようになった

空き家を所有している方にとっては非常に大きな意味を持つ法律なので、それぞれ解説しておきます。

1、「特定空き家」と呼ばれる危険度の高い空き家を定めた

空き家対策特別措置法が示している“特定空家等”の基準は下記の4つになります。

倒壊の危険性がある住宅」「衛生面において悪影響が及ぶと考えられる住宅」「管理が行き届いておらず、周囲の景観を損ねる住宅」「その他、周辺の生活環境を著しく乱すと考えられる住宅」

「安全面、衛生面、景観面、治安面において問題のある空き家」は「特定空家等」の対象になると考えられます。「特定空家等」に認定されると、空き家の所有者は市町村から住宅の撤去や修繕、住宅周辺の生活環境の美化(立木竹の伐採など)を行うようにという指導・助言を受けます。指導を受けながらも空き家の状態が改善されない場合は、“勧告”が出されます。勧告が出されると、固定資産税の住宅用地特例から除外され、固定資産税が最大で6倍になります。

2、 登記情報がないものは、固定資産税の支払い履歴を確認して所有者を確認できるようにした

通常、不動産を購入または相続すると、所有権が自分にあることを示すために登記をする必要があります。しかし、この登記作業をせず、空き家の所有者が特定できず不明なままになることがありました。その為、今回の法律では「固定資産税」の支払い履歴を開示することで、登記での確認以外の方法で、物件の所有者が誰かを特定できるようになったのです。これまで相続した空き家の登記はせず、固定資産税だけ支払っていた方も、行政にばれてしまうことになります。

3、「助言・指導」「勧告」「命令」を経て、「特定空き家」を行政側で解体することができるようになった

空き家対策特別措置法に基づき、3つの注意喚起「助言・指導」、「勧告」、「命令」を所有者に行っても対応しない場合は行政側で強制的に取り壊すことができるようになりました

取り壊しにかかった費用は後日、所有者に請求がいき、それでも支払わない場合は差し押さえ等で強制的に回収されます。

行政側で取り壊しを行うケースは、そのままにしておくと周囲に危害が及ぶ可能性が高いケースに限られるので、すぐに実施されるというわけではありませんが3つの注意喚起をされたタイミングで、きちんと対応するようにしましょう。

2.空き家売却のメリット・デメリット

空き家の管理において、そのまま何らかの形で所有していくのか、売却するのかは大きな判断の分かれ目です。空き家売却のメリット・デメリット

売却のメリット

維持費がかからなくなる

固定費の支払いがなくなる

売却のデメリット

再度住み直すことができない

空き家を売却する最大のメリットは「維持費がかからなくなる」という点です。空き家は、保有しているだけで土地と建物に固定資産税や都市計画税の税金が発生します。また、室内の喚起や掃除をしたりする等、維持にも手間や費用がかかるため、空き家は保有するだけでもコストがかかります。

売却せず活用する方法・・・賃貸に出す

家族で住んでいた家などは思い出も残っており、すぐに手放す決断をできないこともあります。そこで手放さずに賃貸するというのもひとつの選択肢になります。メリットは毎月の家賃収入があることです。しかし賃貸するというのは大家さんになるということです。管理人として対応すべきさまざまな業務が生じます。家屋の破損箇所の修理のほか、家賃滞納などのトラブル対応も考えられます。また住宅の状態によっては賃貸に出す前にリフォームが必要であったり、入居者を探す作業も必要になる為、手間と時間がかかります。手間ひまかけても入居してくれる人がいなければ収入は得られません。最近、人気のあるシェアハウスや民泊についても運営は民間会社に任せることができても、手続きなどに労力が必要になる為、時間に余裕のある方にはおすすめできますが、普段、仕事されている方にはなかなかハードルが高い作業となります。

空き家を活用して維持するか売却するか、どちらもメリット・デメリットはありますが、土地活用と比べて費用がかからず、リスクも小さいのはやはり不動産の売却や買取(不動産会社に物件を購入してもらうこと)です。

決断を先延ばしにしてしまうと、住宅の状態が悪化してどんどん売りづらくなっていきますし、その間にもメンテナンス費用・固定資産税等の維持費がかかります。

クラベストには京都で実績のある買取会社が複数登録しており、これらの買取会社に一括で査定を依頼できます。また物件タイプによって、最適な買取会社をマッチングしますので、その分、スピーディーかつ納得いく高価売却額で売却が可能です。

査定ボタン

3.空き家売却の方法

空き家の売却方法には2つ方法があります。「そのまま売却する方法」「解体して更地にして売却する方法」です。手間をかけずに売却したいなら、そのまま売却する方法が簡単です。また、売れにくい立地にある空き家や、空き家の状態が悪い場合には解体して更地で売却することになります。

そのまま売却する方法

一番費用がかからずに売却できるのは、そのままの状態で売却する方法です。(遺品の整理や残置物の撤去、清掃等は行う必要があります。)しかし、これは住宅の立地が良い、築年数も浅く状態が良い空き家の場合に限ります。地方で築年数が経っている空き家だと、なかなか買い手はつきません。

解体して更地にして売却する方法

相続した空き家は築年数がだいぶ経っているものも多く、そのままでは買い手がつかない為、更地のほうが売りやすくなります。また更地にした方が、買主は購入後のイメージがしやすかったり、土地の大きさが把握しやすかったりするというメリットもあります。

ただし、家を解体するのに解体費用がかかります。一般的な解体費用の平均は1坪あたり木造住宅で約3万円~5万円、鉄骨造住宅で4~6万円、RC造住宅で4~7万円程(※あくまで相場であり人件費、廃棄物の量などで金額が変わります)かかります。

そして、住宅がなくなれば、固定資産税や都市計画税の支払いの優遇措置も受けられなくなり、税金の支払い額が増えます。

これらの税金は1月1日の建物の所有者に課税されるので、解体を行う場合には、1月2日以降に解体したほうがよいでしょう。

そのまま売却するか更地にして売却するかは、不動産会社に相談するなどして、住宅の状態や解体費用を考慮してベストな方法を選択しましょう。更地

「仲介」か「買取」か

初めに不動産会社を選ぶために査定を行い、依頼したい不動産会社と媒介契約を結びます。媒介契約を結ぶと、不動産会社は販売活動を始めます。この売却方法を「仲介」といいます。買主が見つかって、売買価格に合意が得られると売買契約を締結し引き渡しを行います。売却に要する期間は早くて半年、一年以上かかることもあります。しかし、なかなか売れない物件は最終的に「買取会社が買い取る」ことになります。もちろん売主は売買契約を締結した後に不動産会社に「仲介手数料」を支払います。しかし最初から「買取」という方法を選択していたとしたらどうでしょうか?「買取」なら相手は不動産会社ですので、売却額の合意が双方にできれば即売却可能です。そのうえ、直接買い取るので「仲介手数料は無料」になります。下記のグラフを見て頂くと不動産仲介会社を経由して売却した場合とクラベストを経由して売却した場合の手元に残る金額は約212万円の差があることが分かります。

クラベストを利用すると約212万円高く買い取ることができます。誰しも家の売却時には手元に残るお金が高い方を選ぶはずです。売却に出す前に一度「仲介」か「買取」かを検討してみることをお勧めします。

「仲介」・「買取」の違いやそれぞれのメリット・デメリットについては詳しくはこちらの記事をご覧ください。(※記事ではマンション売却の場合になっていますが、空き家売却の場合も同様です)

【マンション売却】手間なくスピーディーに売りたい方へ~買取という選択肢~

またクラベストのメリットは、空き家売却のお悩みでよく聞く「瑕疵担保責任の免除を受けられること」、「家財の処分を自身でせずに、そのまま売却できる」点です。些細なお悩み事もぜひお気軽にご相談ください!

相続した不動産の買取会社を京都で見つける時に便利です。

4.まとめ

同じ不動産会社でも、マンションやアパートに力を入れている会社もあれば、仲介に強い会社、買取に強みを持っているなど、それぞれの得意分野があります。
空き家売却を苦手としている不動産会社では、なかなか契約に至らなかったり、やる気もなく放置されるケースもありますので、やはり空き家に強い不動産会社を選びましょう
スピーディーに買主を見つけてくれる可能性も高くなりますし、相場よりも高値で売れることも期待できます。

単に空き家を所有しているだけでは老朽化や維持管理のコストがかさむだけですので、損をしないためにもできるだけ早く売却を検討してみるとよいでしょう。

クラベストのマッチングサービス

 

▲目次にもどる