不動産お役立ち情報
新型コロナウイルスが猛威をふるい、家で過ごす自粛生活が続く中、夫婦間でのウイルスに対する危機意識の違いや感染予防の考え方の違い、一緒に過ごす時間が増えたことでストレスをより感じるようになるなど、徐々に夫婦関係に溝が出始め、コロナをきっかけに別れを決意する「コロナ離婚」が増えてきています。
やむを得ず離婚して夫婦関係を終わらせなくてはいけなくなった際に、気になるのは「財産分与」です。そして財産分与で最も大変なのは「家の財産分与の方法」だと言われています。
そこで今回は離婚後の家の財産分与をトラブルなく行うために、財産分与の方法や注意点についてわかりやすくお伝えします。
結婚してから夫婦で得た財産はすべて離婚時の財産分与の対象になります。これは預金や現金・証券類だけではなく、自動車や年金・保険など、結婚後に世帯名義で利用してきたものがすべて対象となります。
額面で計算できるものは二等分すれば財産分与可能ですが、家や自動車など額面で二等分できないものについては売却して現金化してから財産分与をするorどちらかが譲り受けて評価額の半分を現金で支払うという方法をとります。
家の財産分与は夫婦または家族で住んでいた家を売却して現金化し、そのお金を折半するのが分かりやすく一般的な方法です。家が夫の名義になっていたとしても、夫婦が婚姻中に得た財産であれば、財産分与の対象となります。
ただし財産分与の対象は、プラスの財産だけではありません。住宅ローンなども財産分与の対象となる為、住宅ローンが残っている場合は、マイナスの財産として考慮する必要性があります。
家を共有名義のままにしておくと、いずれ売却に出す際に両方の同意が必要になり、離婚後にまた連絡をとらなくてはいけなくなります。また住宅ローンを払うと約束していたにも関わらず、突然払わなくなったなどの問題を避けるためにも、離婚時には家も売却して、現金化し、分けた方が後々のトラブルが少ないと言われています。
また、家を残してしまうと、家族が一緒に住んでいた思い出も残ることや、元夫や妻が訪ねてくる懸念もあります。売却してしまえば、元夫や妻との関係をすっぱり切ることができる上に、離婚後の新しい生活に向けて気持ちの切り替えも上手くいきやすいでしょう。
新しい生活を始めるには、ある程度まとまったお金が必要になります。財産分与でまとまったお金を得ることにより、そのお金を頭金にして、新たに家を購入することや引っ越し資金に充てることもできます。
家の売却をする場合は必ず夫婦の合意が必要となります。もし一方に連絡が取れない場合には弁護士を立てての話し合いになります。また話し合いで決着がつかない場合には、裁判所の判断を仰ぐこともあります。
家を売却する前に、使用していた家具や電化製品などは金額が同等になるように分けるか、物によっては売却し、その金額を二等分にします。
不動産会社と媒介契約を結んで物件を売りに出します。買い手が見つかり入金が完了したら、ローンの精算に移ります。売却金額でローンの清算が終わった後、残った金額を2等分して正式に財産分与ができます。
一般的には不動産会社に依頼をして家を売却する「仲介」という方法で売却するケースが多いですが、物件を売りに出してから買い手が見つかり契約を結ぶまで半年から一年程の期間を要します。それまでは主にどちらかが売却活動を担当し、進捗報告や売却できた際の報告などをすることになります。しかし、離婚を決めた相手とは一刻も早く関係を断ち切りたい、できるだけ連絡を取りたくないと思う方がほとんどではないでしょうか?そんな時には「買取」という売却方法がお勧めです。あまり聞き慣れない方も多いと思いますが、「買取」は買取会社が物件を買い取ってくれることを言います。買取額の合意が双方に取れれば、即売却ができる為、早く住んでいた家を清算したいと考える方にはピッタリです。また査定方法も机上査定を選択すると、直接訪問がないので近所の方に知られずに売却することができます。なおかつ買取会社が直接買い取る為、仲介手数料が発生しません。離婚して心機一転、新しい生活を始めるには何かとお金が必要です。売却時の費用が抑えられるという点は売主にとっても大きなメリットです。
「仲介」・「買取」の違いやそれぞれのメリット・デメリットについては詳しくはこちらの記事をご覧ください。(※記事ではマンション売却の場合になっていますが、戸建て売却の場合も同様です)
親と同居している二世帯住宅の場合など、夫婦のどちらかが家を譲り受けて住み続けるという場合もあります。
また親権を持った妻が子供と暮らしていくことになり、そのまま同じ家に住み続け、夫が家を出て住宅ローンの残りを払い続けるという場合もあります
しかし、この方法は売却して現金化する場合よりもややこしく、後々トラブルになりやすいのも特徴です。
子供が学校に通っている年齢の場合は、引っ越しや転校で生活環境を変えなくて済むという点がメリットです。子供にとっても、親の離婚に加えて転校も重なると精神的ショックやストレスがが大きくなってしまう恐れがあります。
子供のことを考え、今の家に住み続けるという選択肢もあります。
家を売らずにどちらかが住み続ける場合は、どちらが住み続けるかによって必要な手続きが変わってきます。考えられるケースごとに説明していきます。
妻が家に住み続ける場合は家の名義を夫から妻に変更する必要があるため、登記移転手続きが必要です。
ローンを完済していない場合であっても、抵当権がついている場合は銀行が名義変更を了承してくれる可能性が高いでしょう。しかし、抵当権がついていない場合は了承してくれないこともあります。
こちらに関しては専門の知識が必要になるため、弁護士や司法書士に相談するのがおすすめです。
また名義は夫のままで住宅ローンが残っている家に妻が住み続けるというケースもあります。名義も残りの住宅ローンの支払いも夫になるため、一見、妻にとっては良い方法にも思われます。しかし、この場合「離婚後も夫が住宅ローンを払い続ける」と離婚協議書で約束したとしても、夫の都合で支払いが滞ってしまう可能性も考えられるため注意が必要です。
住宅ローンの支払いが滞った場合は、家が競売に出されてしまったり夫が自己破産してしまう恐れがあります。夫が支払い続けてくれるという保証はどこにないのです。
夫名義の住宅ローンが残っている家に妻が住み続けることはリスクがあるということも前もって理解しておきましょう。
住宅ローン名義を妻に変更する場合は、借入先の金融機関の許可が必要になります。妻の収入や資産状況に問題がなければ、住宅ローン名義を妻に変更できるでしょう。また、夫婦で話し合い、夫に住宅ローンの支払いを一部負担してもらうことも可能です。
夫名義の家に夫が住み続けるという場合、妻が連帯保証人や連帯債務者になっていることがほとんどでしょう。その際、夫が支払い不可能になると妻に一括請求がいくことになります。
後々トラブルにならないためにも、財産分与の協議で妻が責任を負わないと決まったら、妻が銀行に連帯保証人の契約解除を申し出る必要があります。連帯保証人の契約を解除する方法として、住宅ローンの借り換えをしたり、別の方に連帯債務者・連帯保証人になってもらう方法があげられます。
連帯保証人の契約は忘れないように解除しておきましょう。
家を財産分与する際、もっとも手続きが面倒になるのが家の価格が住宅ローン残債を下回る場合です。
例えば、ローンがまだ3000万円残っていて、売却した際の利益で精算しようと考えていたが、実際の査定額が2500万円で500万円の赤字になってしまった。このように不動産の売却額よりもローンの方が高くなってしまう状況のことをオーバーローンと言います。
基本的に、ローンが残っている不動産は売ることができません。不動産会社の査定額がローン残債よりも低かった場合、仮に買い手が見つかったとしてもローンを完済できていないので財産分与もできないことになります。
自分の資金で売却額と残りのローンの差額を用意し、ローンを完済させることができれば売却は可能です。500万円くらいの差額であれば自己資金で補える場合もあるので完済してしまう方が後々のトラブルになりにくいでしょう。
自己資金もなく、ローンを完済することができないときは「任意売却」という選択肢があります。
任意売却とは、金融機関の合意を得て家と土地を売却できる方法です。何らかの事情で住宅ローン(借入金)が返済できなくなった場合や、不動産売却後も住宅ローンが残ってしまうことが明らかな場合でも売却することができます。
今回は離婚時の財産分与の方法と手順について説明しましたが、いかがでしたでしょうか。
家を売却するか、住み続けるかの判断は難しいでしょう。
家はライフスタイルのに変化に伴い住み替えが必要になり売却に出すということが往々にしてあります。
家の財産分与については、将来的なことも考えたうえで決めるようにしましょう。
これから離婚について具体的な話し合いをするのであれば、家の査定額も把握しておくことも大切です。
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また優良弁護士や司法書士の紹介もできますので相談から売却までワンストップサービスでサポートいたします。
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